これまでスナップを撮影し、RAW現像をしていて気付いたことがある。レトロな色味が好きかもしれない。キレっキレの解像写真も、おおっ、とは思うものの、好きだな、と思うのものはだいたいレトロというかエモいというか、雰囲気のある写真である。
それならば現代の高機能なレンズではなく、オールドレンズも面白いのではないかと思い、そこからオールドレンズについて調べ出す。お、この写真好きだな、と思った写真のレンズを調べると、Angenieux(アンジェニュー)というフランスの光学機器メーカーのオールドレンズだった。
オールドレンズを紹介してくれる書籍を眺めていると、そこにも1枚、あ、これ好き、という写真があり、撮影したレンズを見てみるとなんとAngenieuxなのだ。
これはもうAngenieux買うしかない(欲しいタイプのものは結構高い)、という流れなのだが、そこはいきなり買わない。まだ調べたい。モノを買う前のリサーチしている時間って楽しい。
そして安く手に入る定番のオールドレンズから、レアものまで一通り調べてみる。調べるというのは、写りはもちろんのこと、メーカー、いつ作られたか、どういうマウントか、世間の評価は、などこういうことを調べるのが好きなのだ。もちろん全ての情報を網羅することは不可能で、ネット検索で調べれるトピックス程度になってはしまう。
そしてオールドレンズは、中には状態が悪いものもあり、それらはジャンクとして売られていて、さらに分解清掃しているガチ勢がいることも知る。50年以上前のレンズがザラにあるのでどうしても経年劣化はするだろう。
分解清掃、めっちゃ楽しそう。そこからオールドレンズの調査に追加して、レンズの分解メンテナンスに興味がわき、手法や技術を調べだした。
いつのまにか、アマゾンのあとで買うリストに以下が追加された。
- 無水エタノール
- ハンドラップ
- ビー玉
- ベンジン
- シルボン紙
- 尖った綿棒
- ちょっといい精密ドライバー
- レンズサッカー
- 吸盤オープナー
- 竹串
- クリーニングクロス
- ステンレスの受け皿各種サイズ
- ピンセット数種類
- カニ目レンチ
もう一度お伝えするが、この時点ではまだ1つもオールドレンズは買っていない。
これではオールドレンズで好みの写真を撮りたいのか、レンズを分解清掃したいのか、どちらかわからない。
いや答えはわかっている。どっちもしたい。
意を決し、ヤフオクで状態が悪そうなSuper-Multi-Coated TAKUMAR 55mm F1.8 M42を1000円で落札。状態が悪いものを買うということはそういうことである。Takumarを購入したのは、分解するための情報がWEBにたくさんあるからだ。写りもいい。
上にあげたリストのアイテム達も、一部を除き一気にポチる。近所のスーパービバホームにも行き、使いやすそうなデカいツールボックスも購入した。
さて、1つ目のオールドレンズからいきなり分解清掃前提というハードモードでスタートである。もちろんα7Ⅲで使うためのマウントアダプターも購入済みだ。
手元に届いたSuper-Multi-Coated TAKUMAR 55mm F1.8は、思いの外状態は悪くなかった。とはいえ薄カビやホコリ、ほんのりクモリも見える。Youtubeの分解動画を見ながらなんとか全レンズの清掃を終える。ヘリコイドや絞り羽は動作良好なので触らず。これでジャンクだからとこんな激安で買えていいのか?
よーし撮るぞと意気込むものの、翌日はあいにくの曇天。それでも撮る。現像時に露出の調整だけ行っており、それ以外はさわらず。撮って出しに近い。ボディはα7Ⅲ、ホワイトバランスオート、絞り値は記録されていないが、開放か2.8か5.6のいずれかで撮影している。












太陽がまったく出ていなかったので、フレアやゴーストといったオールドレンズの味わいはあまりないが、やはりノスタルジックな写りになる。絞ると、ほんとに50年前のレンズ?と思うくらいシャープに写る。
マニュアルフォーカスも、時間はかかるが、どこにピントを当てたいのか、というAFでは意識が薄くなる部分にとてもフォーカスできた。フォーカスだけに。
結局のところオールドレンズとは、そのレンズのクセや特徴、欠点をいかに愛せるか、ということになるんだろう。キリッとした全面解像感の高い写真が撮りたければ現代レンズを使えばいいのだから。



コメント